ギャンブルで離婚のブログ

ギャンブルが原因で離婚することになりました

安田記念

「貴一さん!明日始発で府中まで来て下さい!」

と秀吉君に言われ、始発は流石に早ないかと僕は思っていたが、従う事にした。


翌朝4時に起き、府中に向かう下高井戸の駅でばったり秀吉君会った。


「めっちゃ雨降ってるけど大丈夫?」

と僕。


秀吉君は、仕事先で会うよりもなんかオーラが違い競馬新聞を必死に読んでいて僕の声も聞こえてないようだ。


府中に着き。競馬場の入り口辺りには人が100人くらいいた。


結構並んでるなぁなんて思いながら最後尾に並び秀吉君が持ってきた3冊の競馬新聞の内の1冊貸して貰った。


さっぱり書いてる事は分からないが、予想家の印は何となくわかつた。


ふと、秀吉君がこんな事を聞いてきた。

「貴一さん、お金どれくらい持って来ました?」

「4万持って来たよ。」と返事して「秀吉君はなんぼ持ってきたん?」


「内緒っす!」となんか嬉しそうに笑ってた。


しばらく列に並んでまだかいなといい加減飽きてきたところでチケットを購入する事が出来たようだ。(僕は分からないので秀吉君に全て任せていた)


「いい席取れました!」と最高の笑顔でこちらに走って来て、「貴一さん、レースまで三時間位あるので飯食べましょう!」


僕たちは、丸テーブルが沢山並んでる所に陣どり僕は、ビールと唐揚げ。秀吉君はラーメンを買ってきた。


ごくっとビールを飲み唐揚げをつまみ、二杯目のビールを買いに行く時に「秀吉君もビールいるか?」と聞くと、


「僕はいいっす!」と返事。


ビールを飲みながら秀吉君に「なんで飲まんの?」と聞くと、


「馬券取ってから飲むんです!」と興奮していた。


そして僕たちは、指定席に着き競馬場を眺めていた。


広いな〜なんて思いながらビールを飲み酔っ払ってきたのでレースまで寝る事にした。


ハッと目が覚めて周りを見ると雨も止み人も朝来た時よりはかなりいた。


「もうすぐ1レース始まりますよ」


僕は1レース千円ずつやろうと思っていた。


適当に、予想の印を参考にして3連単の200円の5通りを買った。


ふと、隣の秀吉君を見るとモニターでレースを見ていた。「あー!!」と無茶苦茶大きな声で

叫んでいる。「残せ残せ」と必死になり


最後に「クソ」と呟いていた。


「もうやってたん?」


「はい!」

と秀吉君が答え、「貴一さん、早く買わないと締め切りになりますよ。」


僕は急いで券売機に向かった。


そして、馬場には馬が入って来て走り回っていた。


「馬券見せて下さいよ!」と言われ、秀吉君に見せるといいっすね!と言われた。


そしてレースが始まりあっという間に終わった。

生でレースを見てもどれが自分の馬か全く分からなかった。


見事に馬券は外れ秀吉君も顔見ただけでハズレたのは分かった。


5レースまで終わり、僕は5千負け、秀吉君は教えてくれなかった。ビールを飲んでいなかったのでまだ当たってないようだ。


6レースまで時間があるのでビールを飲みながらタバコを吸っていた。(たまには、競馬場もええな。今度家族でこよかな?)


席に戻ると秀吉君が


「貴一さん!次から必殺技使いますわ!」


と興奮していた。